部屋探しのお金

仲介手数料の「透明化」って、安くすることじゃないの?このサイトが約束している順番の話

公開:2026年9月10日 書いた人:やの(宅地建物取引士)

賃貸の仲介手数料には、国の告示が定める原則があります。原則は家賃の半月分、承諾があれば1か月分まで。このサイトで言う「透明化」が、金額ではなく「順番」の約束である理由を、告示の原文から説明します。

初めての部屋探しで、見積書の「仲介手数料 家賃1か月分」を見て、「そういうものなんだ」と思った方は多いはずです。私も、この仕事を始めるまでそう思っていました。

このサイトの看板に「仲介手数料の透明化」と書いています。安売りの宣言ではありません。何を約束しているのかを、最初の記事として書いておきます。

告示に書いてあること

賃貸の仲介で不動産会社が受け取れる報酬の上限は、宅地建物取引業法46条にもとづいて、国土交通省の告示で決められています。

住むための建物の賃貸借について、告示の「第四」の要点は次の3つです。

  • 貸主と借主の双方から受け取る報酬の合計は、家賃1か月分の1.1倍(消費税込み)まで
  • そのうち、借主など依頼者の一方から受け取れるのは、家賃1か月分の0.55倍まで
  • ただし、媒介の依頼を受けるにあたって、その依頼者の承諾を得ている場合は除く

「承諾」のタイミングが、透明化の中身

告示の文言は「当該媒介の依頼を受けるに当たって」承諾を得ている場合、です。契約書に判を押すときではなく、部屋探しをお願いする最初の段階で、と読めます。

ここで大事なのは、1か月分を受け取ること自体が悪いわけではない、という点です。承諾があれば、告示の範囲内に収まります。

問題になるのは、説明も承諾もないまま、見積書に1か月分が「そういうもの」として載っている状態のほうでしょう。

だからこのサイトで言う透明化は、金額を下げる約束ではありません。次の3つの順番を守る約束です。

  1. 初期費用の内訳を、契約の前に一覧でお見せする
  2. 仲介手数料は、告示の原則と今回の金額を並べて説明する
  3. ご納得いただいてから、申し込み・契約に進む

金額そのものは物件や条件によって変わるため、ご相談のときに個別にお伝えします。

見積書を受け取ったら、確認したい3つ

他社さんで進めている方にも使えるように、確認のポイントを置いておきます。

  • 仲介手数料の欄に、家賃の何倍と書かれているか
  • その倍率について、依頼した最初の段階で説明と承諾があったか
  • 「事務手数料」「書類作成費」など、仲介手数料とは別の名目の項目がないか

3つ目は、名目が違っても実質は仲介の報酬ではないか、という視点です。気になる項目があれば、その場で「これは何の費用ですか」と聞いてよいお金です。

お断り

個別の契約が告示に反しているかどうかの判断や、他社さんとの交渉の代理は、資格の範囲上お受けできません。

すでに支払った手数料について相談したい方は、消費生活センター(局番なしの188)が窓口になります。

まとめ

仲介手数料の原則は家賃の半月分、承諾があれば1か月分まで。この「承諾」が最初の段階にあるかどうかが、透明化の中身です。

金額の安さではなく、内訳を先に見せる・根拠と並べて説明する・納得してから進む、という順番を約束しています。

これからも「契約の前に知っておきたいお金の話」を、告示や法令の原文にあたりながら書いていきます。

この記事の出典

記事の内容は公開時点の情報です。制度や施設の最新情報は出典先で確認してください。

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