仲介手数料の「透明化」って、安くすることじゃないの?このサイトが約束している順番の話
賃貸の仲介手数料には、国の告示が定める原則があります。原則は家賃の半月分、承諾があれば1か月分まで。このサイトで言う「透明化」が、金額ではなく「順番」の約束である理由を、告示の原文から説明します。
初めての部屋探しで、見積書の「仲介手数料 家賃1か月分」を見て、「そういうものなんだ」と思った方は多いはずです。私も、この仕事を始めるまでそう思っていました。
このサイトの看板に「仲介手数料の透明化」と書いています。安売りの宣言ではありません。何を約束しているのかを、最初の記事として書いておきます。
告示に書いてあること
賃貸の仲介で不動産会社が受け取れる報酬の上限は、宅地建物取引業法46条にもとづいて、国土交通省の告示で決められています。
住むための建物の賃貸借について、告示の「第四」の要点は次の3つです。
- 貸主と借主の双方から受け取る報酬の合計は、家賃1か月分の1.1倍(消費税込み)まで
- そのうち、借主など依頼者の一方から受け取れるのは、家賃1か月分の0.55倍まで
- ただし、媒介の依頼を受けるにあたって、その依頼者の承諾を得ている場合は除く
「承諾」のタイミングが、透明化の中身
告示の文言は「当該媒介の依頼を受けるに当たって」承諾を得ている場合、です。契約書に判を押すときではなく、部屋探しをお願いする最初の段階で、と読めます。
ここで大事なのは、1か月分を受け取ること自体が悪いわけではない、という点です。承諾があれば、告示の範囲内に収まります。
問題になるのは、説明も承諾もないまま、見積書に1か月分が「そういうもの」として載っている状態のほうでしょう。
だからこのサイトで言う透明化は、金額を下げる約束ではありません。次の3つの順番を守る約束です。
- 初期費用の内訳を、契約の前に一覧でお見せする
- 仲介手数料は、告示の原則と今回の金額を並べて説明する
- ご納得いただいてから、申し込み・契約に進む
金額そのものは物件や条件によって変わるため、ご相談のときに個別にお伝えします。
見積書を受け取ったら、確認したい3つ
他社さんで進めている方にも使えるように、確認のポイントを置いておきます。
- 仲介手数料の欄に、家賃の何倍と書かれているか
- その倍率について、依頼した最初の段階で説明と承諾があったか
- 「事務手数料」「書類作成費」など、仲介手数料とは別の名目の項目がないか
3つ目は、名目が違っても実質は仲介の報酬ではないか、という視点です。気になる項目があれば、その場で「これは何の費用ですか」と聞いてよいお金です。
お断り
個別の契約が告示に反しているかどうかの判断や、他社さんとの交渉の代理は、資格の範囲上お受けできません。
すでに支払った手数料について相談したい方は、消費生活センター(局番なしの188)が窓口になります。
まとめ
仲介手数料の原則は家賃の半月分、承諾があれば1か月分まで。この「承諾」が最初の段階にあるかどうかが、透明化の中身です。
金額の安さではなく、内訳を先に見せる・根拠と並べて説明する・納得してから進む、という順番を約束しています。
これからも「契約の前に知っておきたいお金の話」を、告示や法令の原文にあたりながら書いていきます。
この記事の出典
- 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(国土交通省・PDF)(昭和45年建設省告示第1552号、最終改正 令和6年国土交通省告示第949号。第四「貸借の媒介に関する報酬の額」)
- 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)(第46条 報酬)